ナンカンタイヤ/アジアンタイヤの種類,寿命,価格,評価,評判は?

Nankang AS-1 tire-ナンカンAS-1タイヤ

韓国や台湾、中国、インドネシアで製造しているアジアンタイヤについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

「履いたことがある」

「コスパが高い」

「愛用している」

「安かろう悪かろう」

「大丈夫?」

「興味無し」

「知らない」

等々、カーオーナーによって、アジアンタイヤのイメージや意見が分かれるかもしれません。

2000年代に入り、日本市場でアジアンタイヤの流通が徐々に増えてきました。

かつて、「激安なアジアンタイヤなんて大丈夫?」といった偏見があったのは事実。タイヤは安全と命を支えている重要パーツ。

「そんな得体の知れないアジアンタイヤなんて履くわけにはいかない」という考えも多かったと思います。

管理人はかつて、小型車に台湾のアジアンタイヤを2セット履いた経験があります。では、「アジアンタイヤって、どう?」という質問に対して、このように回答します。

結論から言うと、

「アジアンタイヤを履いて、特に問題はありません。ただ、有名ブランドタイヤとの違いはあります。また、車との相性があります。寿命は有名ブランドより短めでした。」

アジアンタイヤの情報は玉石混交

アジアンタイヤについてネット検索すると、Yahoo!知恵袋や教えて!gooといった掲示板でアジアンタイヤに関する様々な意見が飛び交っています。

真実の情報もあれば、かなりバイアスがかかった情報もあります。中には、疑問を抱く情報もあります。

ネット情報を精査して真意を見抜くことは、その業界の方々や経験者を除いて、ほとんど不可能です。ご存知、タイヤに限らず「板」は言いたい放題の世界。

ネット上で、アジアンタイヤについて様々な意見が飛び交っている以上、益々アジアンタイヤの真実が分からなくなるかもしれません。

そこで、世界のタイヤ市場シェアを参考にしてみると、韓国、台湾、中国、シンガポールのタイヤメーカー5社が世界のタイヤ市場のトップ14位以内にランキングしています。

世界のタイヤ市場シェア

ワールドワイドなタイヤ市場

1987年当時、

・グッドイヤー/GOODYEAR

・ミシュラン/Michelin

・ブリヂストン/BRIDGESTONE

・ファイアストン/Firestone

以上の4社で世界のタイヤ市場シェアの50%超を占めていました。

(※)1988年、ブリヂストンはM&Aによりアメリカのファイアストンを買収。

そして、2016年現在の世界のタイヤ市場シェアはこちら。

世界シェア

ランキング

タイヤメーカー シェア(%)
1位 ブリヂストン

BRIDGESTONE

(日本)

14.6
2位 ミシュラン

Michelin

(フランス)

14.0
3位 グッドイヤー

GOODYEAR

(アメリカ)

9.1
4位 コンチネンタル

Continental

(ドイツ)

7.1
5位 ピレリ

PIRELLI

(イタリア)

4.2
6位 住友ゴム

SUMITOMO

(日本)

4.0
7位 ハンコック

Hankook

(韓国)

3.3
8位 横浜ゴム

YOKOHAMA

(日本)

2.8
9位 正新

Cheng Shin

(台湾)

2.6
10位 中策ゴム

Zhongce Rubber

(中国)

2.1
11位 ジーティー

GITI

(シンガポール)

2.0
12位 クーパー

Cooper

(アメリカ)

1.9
13位 東洋ゴム

TOYO

(日本)

1.8
14位 クムホ

KUMHO

(韓国)

1.6

(出典)株式会社ブリヂストン 

トップ3のブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーが世界シェアの37.7%を占めています。ブリヂストンは自動車やトラック、バイク用タイヤのみならず、航空機のタイヤメーカーとしても知られています。

今やトップ6のシェアを合計して、ようやく世界シェアの50%を超えます。つまり、世界シェアの上位にランキングしていた各タイヤメーカーのシェアが減少しているのです。

上記以外にも、タイヤメーカーは世界に数多く、メーカー間のシェア争いが激しさを増している背景が窺えます。

同時に、新興勢力の拡大と技術力の向上により、タイヤのニーズが幅広いタイヤメーカーへと分散している傾向が読み取れます。

ちなみに、韓国のタイヤメーカー、ハンコックのシェアが横浜ゴムより上位にランキングしているデータが衝撃的。

本当、横浜ゴムさん、がんばってください!

NANKANG/ナンカンタイヤ from 台湾

NANKANG Tire/ナンカンタイヤは台湾のタイヤメーカーで設立は1959年。

ナンカンタイヤは、先ほどのタイヤ世界シェアにランキングしているわけではありません。しかし、ナンカンは台湾で長い歴史を持つタイヤメーカーとして知られています。

ナンカンは横浜ゴムと技術提携を結び、技術開発を進めてきた歴史があり、日本との関係を深めてきました。

日本でナンカンブランドは、以前よりは浸透してきているのではないでしょうか。

このナンカンタイヤのラインアップの中で「AS-1」はネット界でコスパの高さで評価されているタイヤ。概ね、AS-1の評判は悪くはないようです。

ナンカンAS-1とミシュランタイヤの価格を比較

ここで、ナンカンタイヤの中で人気を博してきたブランドの「AS-1」とミシュランタイヤの価格を比較してみます。

NANKANG/ナンカンAS-1

NANKANG AS-1「205/55R16」の価格を調べてみますと、

約6,000円/本 (送料別)

MICHELIN/ミシュラン

同サイズのミシュランのスタンダードとコンフォート系タイヤの価格を調べてみますと、

10,000~13,000円/本(送料別)

タイヤの小売価格は変動するものの、大雑把にナンカンAS-1はミシュランのスタンダードやコンフォート系タイヤの約50%OFF。

実際、ナンカンAS-1を履いてみて

アジアンタイヤを履いた経験が無いオーナーにとって、アジアンタイヤと有名ブランドタイヤの価格差が大きいこともあり、クオリティの面で不安感を抱くと思います。

管理人が初めてアジアンタイヤの「ナンカンAS-1」を購入したのは、確か2010年頃であったと記憶しています。当時、小型車両にマッチするタイヤを探していたのです。

その時のタイヤ選びの条件として、

・高性能タイヤは不要

・ECOタイヤは不要

・近距離走行がメイン

・ブランドに拘り無し

当時、ネット検索していて、アジアンタイヤの「ナンカンAS-1」が候補として浮かび上がったのです。タイヤの交換作業は、自宅から比較的近いGSで実施。

そこで、このタイヤ販売サイトでナンカンAS-1をオーダーました。

オートウェイ

オーダーしたタイヤは2~3日程度で到着。今でも覚えていますけど、タイヤを届けてくれた運送会社は佐川急便でした。

ナンカンAS-1のレビュー

Nankang AS-1 - ナンカンAS-1タイヤ

NANKANG AS-1

ナンカンAS-1のトレッドは左右非対称パターン。日本や欧州のタイヤには見かけないようなトレッドデザイン。

日本は、はっきりと四季が分かれている国。

夏の暑さと冬の寒さの中を走行し、雨天時のタイヤ性能を含めて総合的に体感することで、タイヤの本当のキャラクターが見えてきます。短時間の走行で分かるのは、タイヤ性能のごく一部なのです。

あと、当然ながら、タイヤの寿命は走行距離を重ねて初めて分かる性能。

管理人はナンカンAS-1と移動を共にしながら、次のような印象を受けました。これは、あくまで主観的なもので参考程度にしてください。

・タイヤのケーシング全体とサイドウォールがやや柔らかめ

・パターンノイズに不快感無し

・ウエットグリップに不安無し

⇒ かつての超エコタイヤのような危険性は無い。

・タイヤの寿命は有名ブランドより若干短い

・外気温の変化によって、ゴムの固さが変化しやすい

⇒ 夏季、外気温の影響を受けてタイヤ全体の柔らかさが気になるため、平常時より空気圧を20~30kPa高めに調整していました。

タイヤの限界領域では、AS-1と有名ブランドタイヤの違いが顔を出します。もちろん、AS-1はスポーツ走行を前提としたタイヤではありません。

ナンカンAS-1を履いて普通に走行しても、寿命を除いて有名ブランドとの違いが分からないドライバーが多いかもしれません。

管理人はAS-1に対して特に不満が無かったこともあり、2セット目もAS-1を選択したのです。

もちろん、タイヤは車との相性があります。

ナンカンAS-1は、やや腰が柔らかいタイヤということもあり、車高が高いミニバンにはマッチしないかもしれません。

あと、ボディとサスペンションの取り付け部の剛性が高い欧州車がAS-1を履くと、ミスマッチ感を抱くでしょう。

欧州車のタイヤにしっかりとした剛性感を求めるのであれば、別のブランドを選んだ方が賢明です。

YouTube、ナンカンAS-1ユーザーのレビュー

ナンカンタイヤのラインアップ

ナンカンAS-2+(Plus)コンフォートタイヤ

AS-1の上位モデルに当たる「AS-2+(Plus)」は、AS-1のグリップ力を強化したプレミアムモデル。AS-2+(Plus)のトレッドパターンは4本の縦溝が特徴的。雨の日の排水性能を考えて設計されていることが窺えます。

AS-2+(Plus)のラインアップは22インチまで用意されています。

しかも、AS-2+(Plus)は20インチ以上のタイヤサイズでさえ、多くは1万円台。価格だけではメジャーブランドは比較になりません。(性能は別)

あたかもナンカンは有名ブランドに対して、豊富なラインアップと価格で勝負に挑んでいるような印象を受けます。

ちなみに、タイヤ販売のWebでは、AS-2+(Plus)のランフラットタイヤも用意されています。

ECO-2+(Plus)(エコタイヤ)

ECO-2+のラインアップは12~19インチ。

トレッドに4本のストレートグルーブが刻まれ、排水性能を確保しながら燃費性能を考慮したエコタイヤ。ハイブリッドカーや日常的にバイパスや高速道路を走行するオーナーに訴求するタイヤ。

NS-2(スポーツタイヤ)

NS-2のラインアップは13~24インチ。

スポーツタイヤはナンカンのお家芸とも言えます。軽自動車用の13インチから市場で数少ないサイズである255/30R24までのワイドレンジなラインアップ。

軽自動車用の13インチが3,000円台から。255/30R24の価格が15,000円台ということもあり、ドレスアップ派も手を出しやすい価格帯。

NS-2R(ハイグリップタイヤ)

NS-2Rのラインアップは13~20インチ。

ウエット路面の排水性能を確保しつつ、シーランド比率をよりハイグリップ方向に振ったモデル。スポーツ走行やサーキット走行まで対応。

軽自動車用の13インチが4,000円台から。最大サイズの305/30R20が22,000円。同サイズのメジャーブランドであれば、5~6万円台のため価格競争力は抜群です。

AR-1(ハイグリップタイヤ)

AR-1のラインアップは13~20インチ。

Sタイヤを彷彿とさせる左右非対称パターンのAR-1はサーキット走行をメインとしたタイヤ。

17インチサイズの価格帯は10,000~14,000円台。有名ブランドのハイグリップタイヤを履く前に、肩慣らしとしてAR-1を履いて感触を確かめてもいい。

ちなみに、ナンカンAR-1を履いてサーキット走行をする場合、AR-1はサーキットによってはSタイヤ扱いとなるため、注意が必要です。

それだけAR-1はSタイヤレベルのグリップ力を発揮するタイヤという意味。

なお、これらのタイヤをネットで購入する際、送料は1本1,000円(税別)(沖縄県を除く)。各モデルの在庫確認はこちらから。

オートウェイ

アジアンタイヤの勃興

中古タイヤ

今や、韓国のハンコックタイヤが一部のメルセデス・ベンツやMINIの新車装着タイヤとして採用されています。ポルシェのマカンやカイエンが韓国のネクセンタイヤを採用する時代。

10年を一昔とするならば、一昔前までは考えられなかった事が今や現実化しています。

アジアンタイヤの中で、特に韓国勢の勢いが目覚ましく、新車装着タイヤに対してシビアと言われる欧州のカーメーカーが韓国ブランドのタイヤを採用しているのです。

それが「タイヤに対する答え」なのでしょう。

カーレースの世界では、韓国のハンコックタイヤがDTM、ドイツツーリングカー選手権でタイヤを独占供給してきた実績からも、タイヤの世界で下剋上が進んできました。

かつて、

「やっぱりタイヤはブリヂストン(BS)」

という価値観を持つカーオーナーがいたはず。

確かに、BSは歴史に残る名作を世に送り出してきたタイヤメーカー。

BSはコンパウンドの開発に先進的な技術を持つタイヤメーカーとしても知られ、ハイグリップタイヤやサイレントタイヤ、スタッドレスタイヤのカテゴリーでも、多くのドライバーから支持されています。

しかし、今やタイヤの選択肢はあまりにも膨大な時代。

かつて、店頭でタイヤを選んでいた時代から、今やスマホで世界中のタイヤが手に入る時代。

しっかりした乗り心地のBS、しなやかさと耐久性を兼ね備えた高バランスのミシュラン、コスパが高いナンカンという具合に、タイヤは好み応じて選び放題の時代。

サーキットのスポーツ走行やドリフト走行のシーンではタイヤの摩耗が激しいため、台湾のNANKANG/ナンカン NS2, NS-2R, AR-1、インドネシアのPinso/ピンソやATR SPORT, SPORT2が普通に使われています。

そしてレース当日、出場者はメジャーブランドを使い分けています。

アジアンタイヤは市民権を得たのか?

2020年現在、まだアジアンタイヤは市民権を得ているとは言い難いと思います。

なぜなら、タイヤブランドに対するイメージというものは、一朝一夕に変わるものではないからです。

また、サーキットのような過酷な使用環境では、タイヤのグリップ力や発熱、ライフを含めた技術力の差が明確に出てきます。このようなシーンでは、有名ブランドタイヤの技術力の高さが際立ちます。

ましてやタイヤは安全と命を支えているパーツ。消費者の目はシビアになって当然です。

タイヤブランドの確立には長い年数が必要ながら、ダークホース的な存在の台湾やインドネシアのタイヤの将来は侮れないのではと思います。

過去10年でタイヤの業界図に明らかな変化が確認できることからも、今後10年で、各タイヤメーカーの勢力図に更なる変化が現れても不思議ではない予感がします。

それ程、タイヤの新興勢力の勃興が世界のタイヤ市場を揺るがす震源地となる可能性を否定できないと思うのは、管理人だけでしょうか。

タイヤ交換作業の心配は不要

タイヤを持ち込んで交換作業を受け付けてくれる取付店が随分多くなりました。ネット通販で購入したタイヤの取付店はこちらで調べることができます。

交換工賃等は、ご希望店にメールでお問い合わせください。

Goo Pit

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