タイヤの適正空気圧のチェックと頻度,入れ方,ステア特性の調整方法

エアゲージ

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かつて、ガソリンスタンドでタイヤに空気を入れる際、敷地内の一角にスタンドタイプの空気入れ機器がポツンと立っていました。

4本のタイヤに空気を入れるためには、長いホースをさばく必要がありました。

ところが今や、多くのガソリンスタンドが球形ステンレス製の空気入れ(エアーキャリー)を常設しているため、タイヤの空気補充が楽で便利になりました。

自動車に乗る、乗らないに関わらず、タイヤの空気圧は低下し、外気温によっても変化します。

タイヤとタイヤの空気圧は安全を支え、空気圧次第で乗り心地やハンドリングも変化します。前後タイヤの空気圧を変化させることで、ステア特性を若干変えることも簡単。

手軽で費用がかからないタイヤの空気圧チューンは軽視できないメンテナンスの1つと言えます。

タイヤの適正な空気圧

多くの日本車の場合、タイヤの指定空気圧はドア周りに貼られているステッカーで確認できます。

30系プリウス、タイヤ空気圧ステッカー

メルセデス・ベンツの場合、給油蓋の裏側に貼られているタイヤ空気圧ステッカーで確認できます。

ハイオクガソリン、給油ノズル

乗車人数と荷物が多い場合、タイヤの指定空気圧が高く表示されています。

JAFロードサービス救援依頼の内容

JAFのロードサービス救援依頼の内容をリサーチしてみました。2002年と2017年を比較すると、タイヤのパンク、バースト、エア圧不足のトラブルが増加していることが分かります。こちら。

2002年度 年間(四輪)

順位一般道路高速道路
救援内容救援内容
1過放電

バッテリー

28.9タイヤの

パンク

22.4
2キー

閉じこみ

23.2燃料切れ13.4
3タイヤの

パンク

8.5事故10.8

2017年度 年間 (四輪)

順位一般道路高速道路
救援内容救援内容
1過放電

バッテリー

32.84タイヤの

パンク

34.94
2タイヤの

パンク

16.35燃料切れ12.82
3キー

閉じこみ

8.55事故8.05

※タイヤのパンク:バースト、エア圧不足のトラブルを含む。

(出典)JAF

詳細にデータを見ていきますと、

一般道路におけるタイヤのパンク

[2002年度、一般道路] タイヤのパンクは3位(8.5%)

[2017年度、一般道路] タイヤのパンクは2位(16.35%)

一般道路でタイヤのパンクは約2倍に増加

高速道路におけるタイヤのパンク

[2002年度、高速道路] タイヤのパンクは1位(22.4%)

[2017年度、高速道路] タイヤのパンクは1位(34.94%)

高速道路でタイヤのパンクは1.5倍以上に増加

タイヤトラブル増の謎

セルフスタンドの増加が理由となり、ドライバーがタイヤの空気圧をきちんと管理していないのがパンク増の原因なのでしょうか。

しかし、有人のガソリンスタンドでも、スタッフはいちいちタイヤの空気圧をチェックしてくれる訳ではありません。スタッフに口頭で空気圧のチェックを依頼する必要があります。

そして、時代と共に低偏平タイヤに大径ホイールを履く自動車が増加しました。

軽自動車であっても、標準で15インチタイヤを履くモデルが珍しくありません。高級車やスポーツ性の高いモデルは、17インチを超えて18や19インチタイヤを履くモデルが見られます。

薄い低偏平タイヤは空気圧が低下しても、目視で分かりにくいため、やはり、月に1度はタイヤの空気圧をチェックしたいものです。

タイヤの空気圧の単位

エアゲージ

かつて、タイヤの空気圧の単位はキロ(kgf/cm2)が使われていました。今となっては、キロパスカル(kPa)が主流。

まだまだ、

「タイヤの空気圧は2.5キロでお願い!」

なんて言う方がいるものの、今や

「タイヤの空気圧は250キロパスカルでお願い!」

と言いたいもの。

混乱を避けるためか、タイヤの空気圧ステッカーには

「キロパスカル(kPa)」と「キロ(kgf/cm2)」の両方が表示されていることが多いようです。

(一例)

2.3キロ(kgf/cm2)は、約230キロパスカル(kPa)。

タイヤの空気圧の点検頻度

昔から、タイヤの空気圧チェックは月に1回は必要と言われます。これは、今も変わりありません。

タイヤの空気圧は「走行の前後」と「外気温」によって変化します。

・走行後 ⇒ タイヤの空気圧が上昇

・外気温の上昇 ⇒ タイヤの空気圧が上昇

タイヤに空気を入れるタイミング

タイヤが冷えている冷間時に空気圧をチェックし、不足しているならば空気を補充します。

特に、夏場は1時間も走れば、タイヤが外気と路面の熱の影響を受けて空気圧が上昇します。この時点でタイヤの空気圧をチェックしても正確な測定はできません。

燃費対策

エコカーブーム以降、タイヤの指定空気圧が高めに設定されるようになりました。

確かに、低転がりタイヤと高い空気圧の設定で燃費が若干良くなるようです。反面、乗り心地とタイヤのグリップ力とのトレードオフの関係にあります。

・燃費を取るならば、指定空気圧プラス「20~30キロパスカル」UP。

・タイヤのグリップ力と安全性を取るならば、指定空気圧が基準。

スタック時の空気圧調整

雪深い道、スタック

雪道やオフロードで自動車がスタックして動けなくなってしまった時、タイヤの空気を抜いて空気圧を下げることで脱出できる場合があります。

この場合、ホイールから頭を出しているエアバルブにエアゲージ/空気圧計をセットし、エアー調整(減圧)機構のリリースボタンを押しながら空気を抜いていきます。

その後、タイヤの空気圧が低い状態のままの連続走行は危険なため、早めに最寄りのガソリンスタンドで空気を補充する必要があります。

タイヤの偏摩耗対策

車高が高いミニバンのタイヤは偏摩耗しやすい傾向があります。特にフロントタイヤのアウターショルダー(タイヤの外側)が早期摩耗する場合があります。

このような場合、フロントタイヤの空気圧を指定空気圧より20~30キロパスカル高めに設定することで多少改善されることがあります。

あと、こまめにタイヤのローテーションを実施することで、4本のタイヤをバランス良く使うことができます。ローテーションの時期の目安は5,000km走行毎。

ステア特性の調整方法

タイヤのグリップ力が低い雪道でアンダーステア(曲がりにくい)傾向の場合、フロントタイヤの空気圧を10~20キロパスカル下げることで、回頭性が良くなる傾向があります。

ドライ路面でも同様。

タイヤ空気圧ステア特性
フロントタイヤ指定空気圧より

下げる【DOWN↓】

オーバーステア

傾向

指定空気圧より

上げる【UP↑】

アンダーステア

傾向

リヤタイヤ指定空気圧より

下げる【DOWN↓】

アンダーステア

傾向

指定空気圧より

上げる【UP↑】

オーバーステア

傾向

これは、スプリングレートとショックアブソーバーの減衰力を疑似的に変化させるような効果があります。

(注1)多くの市販車はアンダーステア気味にセットアップされています。フロントタイヤの空気圧を下げて、必ずしもオーバーステア傾向になるわけではありません。

(注2)タイヤの空気を指定空気圧より下げると、燃費悪化やリム外れ、ホイール損傷の危険性があります。あくまで自己責任でお願いします。

(注3)高速走行時は指定空気圧、または、指定空気圧以上が推奨されています。

車種毎のタイヤ指定空気圧を基準に、前後タイヤの空気圧を調整することで、簡単にステア特性を微調整できます。

スプリングとショックアブソーバーの交換は手間も費用もかかるものの、タイヤのエア調整は簡単で費用がかからない方法。

空気圧調整の一例

タイヤの空気を指定空気圧以下に下げると、場合によってはリスキー。そこで、このような空気圧の調整もあります。

タイヤ指定空気圧

(kPa)

変更後の

空気圧

(kPa)

ステア特性
フロントタイヤ250250アンダーステア

軽減

リヤタイヤ250270

Aセグメントの車の中には、指定空気圧が280キロパスカル前後に設定されているモデルもあります。エコカーブーム以降、このような高い空気圧で燃費を取る車が散見されます。

これは、燃費対策でやりすぎの感がありますけど、20~30パスカル空気を抜くことでステア特性を変えることができます。

ステア特性を自分の好みに調整したいならば、雪道等でトライしてみてもいいでしょう。あと、頻繁にワインディングロードを走行するならば、前後タイヤの空気圧を変えてみることで車が興味深い動きをしてくれます。

エアゲージ/空気圧計

エアゲージ

デジタルタイプを含めて、エアゲージ/空気圧計は手頃な価格で入手できるため、ラゲッジルームに忍ばせておけば便利。

※ホース付きのエアゲージが断然使いやすくおすすめです。(上の写真のタイプ)

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タイヤエアゲージ

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タイヤエアゲージ

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