メルセデス・ベンツの衝突安全性能-重く大きい車vs軽く小さい車

夜のドライブ

時代と共に自動車に求められる衝突安全性能が厳しくなってきました。

各自動車メーカーはより衝突安全性が高いボディを開発し、サイドエアバッグ等の装備により乗員の安全性は高まりつつあります。

今後も衝突安全性の基準は厳しくなる方向で進んでいると思われます。

そもそも、大きく重い車と小さく軽い車を比較すると、物理的に大きく重い車ほど衝突時に有利に働きます。重い物体ほど運動エネルギーが大きいため当然です。

そこで、大きく重い車と小さく軽い車の違いについて考えてみたいと思います。

燃費は大切だけど、安全性も大切

男性スタッフ、Hさん(20代)
最近、少しずつメルセデス・ベンツとは、どのような車なのか見えてきたような気がします。

メルセデスって、お客さんに尻尾を振らないようなところがあって、世間のいろんなブランドとは違いますよね。

DEU-Car.com管理人、Mr.
そう思うね。

自動車は人命を乗せて、高速移動する乗り物。

事故が発生して、乗員がケガを負ったり、最悪な結末になっても、自動車メーカーは責任を問われない。

なぜなら、交通事故は不確定な要素が重なっているから。昔から、この部分は曖昧。

DEU-Car.com管理人、Mr.
事故発生後、警察の実況見分(現場検証)では、加害者のハンドルやブレーキの操作ミスが起因する事故として処理される。もちろん、過失相殺の問題はある。

メルセデスのダイムラー本社は交通事故が発生すると、チームが事故現場に赴いて、警察の協力の下、現場検証とデータ収集、原因分析をしている。

これって、理想的だけど凄いこと。

自動車事故を幅広い技術で未然に防ぎ、事故が発生しても、可能な限り乗員を守る技術を積み上げていく思想が本来の自動車メーカーの使命だと思うね。

自動車の安全技術

エアバッグ
男性スタッフ、Hさん(20代)
確か、エアバッグやABSの技術は、メルセデスが世界で初めて採用してますよね。
DEU-Car.com管理人、Mr.
そう。

ESP®(エレクトロニック・スタビリティプログラム)と呼ばれる、車体の横滑り防止装置を世界で初めて採用したのもメルセデス。

ドアミラーにウインカーランプを埋め込んだのもメルセデス。

細かな装備として、リモコンキーでドアロック、アンロックすると、ハザードランプが確認のため点滅する技術もメルセデスが最初。

コストはかかるけど、いつの時代も、安全で安心な技術を世界で最初に採用する自動車メーカーはメルセデス。

男性スタッフ、Hさん(20代)
そうなんですね!

安全を考えたら、やっぱりメルセデス…

新車はチョット…ですけど、中古車のメルセデスAクラスも安心して乗れますね。以前の中古車記事で話しましたし。

[関連記事]

想像以上に身近なメルセデス・ベンツA,B,Cクラスの中古車。お買い得なメルセデス・ベンツの中古車と注意点アリの中古車の違いとは?ネットで中古車を購入、実車を確認して購入のどちらがいい?ベンツ中古車を購入前に必須のチェックポイントはこちら!
DEU-Car.com管理人、Mr.
メルセデスはブランド云々以前に、安全な車であることは確か。

メルセデスの本社から、広告費を貰わなきゃね。(笑)

重く大きい車と軽く小さい車の衝突安全性能

DEU-Car.com管理人、Mr.
これは、メルセデス・ベンツCクラス C300/W204とスマート・フォーツー/fortwoのオフセットクラッシュテスト動画。

スマートのオフィシャルサイトでは、コンパクトなスマートには安全技術が投入されているよう。それでも、重量差からスマートはCクラスに弾き飛ばされている。

メルセデス・ベンツCクラス/W204

車両重量:1500kg(モデルにもよります。)

全長:4,585mm

全幅:1,770mm

スマート・フォーツー/fortwo

車両重量:960kg

全長:2,755mm

全幅:1,665mm

男性スタッフ、Hさん(20代)
スマートは結構、弾き飛ばされてますね…
DEU-Car.com管理人、Mr.
相撲の土俵で、小兵力士が大兵力士に投げ飛ばされるシーンを思い出した。
男性スタッフ、Hさん(20代)
スペックを見ると、スマートは意外と車幅がありますね。
DEU-Car.com管理人、Mr.
スマートはチョロQ的なスタイルが特徴だけど、車幅は5ナンバーサイズに近い。全長は2,755mmだから、軽自動車より645mm短い。

物理の法則で、運動エネルギーは質量に比例し、速度の2乗に比例する。

重い車と軽い車が衝突したら、どうしても軽い車の方が不利になることが分かる。

DEU-Car.com管理人、Mr.
もし、路上でこのテストと同じ事故が発生した場合、メルセデスCクラスの乗員はまず全員無事だと思う。

一方、スマートのフロント部分はめちゃめちゃに壊れているけど、キャビンの変形は意外と少ないように見える。

男性スタッフ、Hさん(20代)
スマートはコンパクトボディながら、健闘しているような印象ですね。
DEU-Car.com管理人、Mr.
そうだね。

動画では、スマートの乗員の安全性について分からないけど、フロントの小さなクラッシャブルゾーンが上手く衝突エネルギーを吸収しているように見える。

DEU-Car.com管理人、Mr.
これはもちろん、一定の条件下でのクラッシュテスト。

やっぱり、小さくて軽い車は衝突時、不利と言わざるを得ないようだね。

男性スタッフ、Hさん(20代)
普通車を運転していて、もし大型トラックやダンプとぶつかったら、もう無理。
DEU-Car.com管理人、Mr.
重量差が10トン、20トンあるから、運動エネルギーが全然違う。

自動車の運動エネルギー

高速道路
DEU-Car.com管理人、Mr.
では、ここで運動エネルギーを計算してみましょう。

【計算シミュレーション】

普通車の車重が1.3トン、空荷の大型トラックが10トンとします。両車両が80km/hで走行中の運動エネルギーを簡単に計算できる。

動いている物体の運動エネルギーを求める計算式です

リンク先で速度がm/s表示になっているから、80km/hは、22.22m/sに換算できる。

DEU-Car.com管理人、Mr.
【計算結果】

80km/hで走行時、

・1.3トンの普通車の運動エネルギーは、320,346J

・10トンのトラックの運動エネルギーは、2,464,200J

(J = ジュール)

2,464,200J × 1/320,346J = 7.692…

80km/hで走行時、10トン大型トラックの運動エネルギーは普通車の約7.7倍。これは、空荷の計算

男性スタッフ、Hさん(20代)
トラックは高速道路でだいたい90km/hくらいで走っているから、運動エネルギーは上の数字以上ですね。

数字が出ると、目が覚めますね。

DEU-Car.com管理人、Mr.
数字が出るとインパクトがある。

大雑把に、普通車と空荷の大型トラックが90km/hで走行中、両車両の運動エネルギーの差は約10倍くらい。

男性スタッフ、Hさん(20代)
高速道路はヤバイですよ。

今後、高速を走る時、絶対トラックから離れます。

DEU-Car.com管理人、Mr.
実際、多くのトラックは重い荷物を積んでいるよ…

あとは、計算したい方は計算してください。

日本の自動車販売動向

DEU-Car.com管理人、Mr.
ところで、日本では軽自動車の販売シェアが国内の約40%ほど。

軽自動車は維持費の安さから相変わらず人気のよう。

確かに、軽自動車の自動車税は10,800円、重量税は2,500円(エコカー減税適用、50%減)。コンパクトカーより安い。

ただ、軽自動車のガソリン代や車検費用、自賠責保険料、任意保険料はコンパクトカークラスと比べて、それほど違いは無いよ。

男性スタッフ、Hさん(20代)
BRZは2リッターだから、毎年の自動車税は39,500円。

この税金負担をどう考えるかですね。

DEU-Car.com管理人、Mr.
日本の自動車に関する税金は激高だけど、安全料と考えるしかないかな。

軽自動車は以前より、衝突安全性が強化されているようだけど、ボディサイズからして安全性の追求には限界があると思う。

軽自動車は

排気量660cc以下、長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下

という規格があり、それが手枷足枷になっている。

私は、軽自動車はバイクよりは安全だと思っている。

男性スタッフ、Hさん(20代)
日本で売れている車の40%が軽自動車って、異様じゃないですか?
DEU-Car.com管理人、Mr.
そう思うね。

軽自動車の関係者には申し訳ないけど m(_ _)m、個人的に安全性を考えたらコンパクトカー以上が選択肢。

世の中、もらい事故があるからね。

男性スタッフ、Hさん(20代)
今まで、自動車の安全性についてあまり考えたことはありませんけど、いざとなったら、最後は自動車の安全性次第ですね。
DEU-Car.com管理人、Mr.
最後はね。

軽自動車とコンパクトカーの価格帯は、ほぼ同じ。軽自動車のモデルによっては200万円の世界。

男性スタッフ、Hさん(20代)
軽自動車は結構お高いですよね。

自動車の安全性は、日常では実感できませんけど、Cクラスとスマートのクラッシュ動画は説得力があります。

これが、答えですね。

[関連記事]

メルセデス・ベンツの衝突安全性能を過去に遡って調べることができます。ユーロNCAPは欧州で実施されている自動車衝突安全性能評価テスト。アメリカで実施されている衝突安全性能評価テストはNCAP、日本で実施されているテストはJNCAP。詳細はこちら。
歴史的にボディ剛性の高い車の代表はメルセデス・ベンツ。メルセデスは伝統的にボディ剛性の確保に拘るメーカー。その理由は1つや2つではありません。高いボディ剛性は自動車にとって上質な走りや乗り心地以外にも数多くのメリットをもたらします。
メルセデス・ベンツや欧州車のドアヒンジの多くは鋳造製,鍛造製,鋼材から削り出しです。これらのドアヒンジは明らかに剛性が高いパーツ。なぜ、このようなコスト高のパーツを使うのでしょう。これには諸説あるようですが、憶測の範囲内で考えてみました。
スポンサーリンク




コメント

  1. しーばし より:

    確かに質量の大きい車両の方が運動エネルギーが大きいですが衝突時の力は双方に同じだけ働くのでキャビンの変形など車両へのダメージはほとんど同じですよ。
    加速度による頸部へのダメージは質量の小さい車の方が大きくなるとは思いますが圧迫されてや強くぶつけての怪我は無関係です。
    単純に質量の大きい車の方が車体が多きい傾向にあるためクラッシャブルゾーンも大きくなりやすく、キャビンへのダメージが小さい傾向があるだけです。
    運動エネルギーの差は関係ありません。