アイドリングストップはいらない?デメリットとバッテリー交換の関係

メルセデス・ベンツのスピードメーター&タコメーター

多くの自動車に標準装備のアイドリングストップ機能。2010年頃から、通称アイストと呼ばれるアイドリングストップ機能の搭載車が急増しました。

各自動車メーカーがアイドリングストップを採用する理由は「CO2削減」。そして、かつてのJC08モード燃費対策。

確かに、アイドリングストップ採用車の方がカタログ燃費を含めて、燃費が若干良くなるようです。しかし、それで全てが解決して「万歳!」とはいかないのが機械物の世界。

何かを得ると、別の何かを失う場合があるのが世の常。

管理人がGoogle検索してみると、アイドリングストップについて様々な意見が飛び交っています。

やたらと「無駄」「苦手」「うざい」「いらない」「うるさい」といったネガティブな書き込みが目につきます。

市場の声は、なかなかシビア。概ね、ネット上でアイドリングストップに対して否定的な意見が多いようです。

そこで、アイドリングストップ搭載車と上手に付き合っていく方法について考えてみたいと思います。

アイドリングストップのメリット、デメリット

今まで、アイドリングストップについて様々な意見が飛び交ってきました。

アイドリングストップの採用が始まった初期の頃、エンジンが再スタートして発進する時のぎくしゃく感を抱く声が飛び交っていたようです。その後、この問題点は改良されていきました。

アイドリングストップ車で街中を走行すると、頻繁にエンジン停止とスタートを繰り返します。当初、セルモーターやターボ車のタービンの耐久性が心配されました。

これらの問題については対策が施されているため、杞憂に終わったのでした。

今や軽自動車からコンパクトカー、ミニバン、輸入外車まで、多くの車に搭載されているアイドリングストップのメリットとデメリットを改めて整理してみます。

メリット

CO2削減

自動車が停止、または、駐車中にエンジンが始動状態では、マフラーから排気ガスが垂れ流しになります。アイドリングストップ機能は明らかなCO2削減のための技術。

燃費向上

信号待ちや渋滞時、アイドリングストップにより、無駄な燃料消費を抑えることで、燃費向上の効果を得られます。

燃料費の削減

アイドリングストップにより燃費が良くなることで、その分、燃料費を節約できます。

デメリット

専用バッテリーが必要

アイドリングストップ搭載車には、専用の高価な高耐久バッテリーが必要。アイドリングストップ搭載車は非搭載車よりバッテリーの交換コストが上昇します。

一例として、かつての軽自動車用スターターバッテリーの価格は5,000円前後でした。

対する、アイドリングストップ搭載の軽自動車用バッテリー価格は10,000~15,000円。従来より、バッテリー価格が2~3倍に高騰しています。

登録車のバッテリーも同様です。

バッテリー寿命の短命化

アイドリングストップ車は頻繁なエンジン停止とスタートを繰り返すため、バッテリーの負荷が大きく、寿命が短くなります。

かつてのアイドリングストップ未搭載車のバッテリー交換サイクルが4~5年とすると、搭載車のバッテリー交換サイクルは2~3年程度に短命化します。

大雑把に、バッテリー寿命が半分になるのです。

夏場のエアコン停止

夏場にカーエアコンがON状態の時、アイドリングストップによりエアコン・コンプレッサーも停止します。

これによりエアコン吹き出し口からの冷風の温度が上昇します。要は、送風状態になります。

エンジン始動時のセルモーターの音

特に、アイドリングストップ搭載の軽自動車のエンジンスタート時、管理人はセルモーターの音が耳障りに感じます。

例えば、ショッピングモールの立体駐車場において、あちらこちらの軽自動車からセルモーターの音が場内に響いています。

よく観察すると、軽自動車が完全停止しない状態でエンジンが自動停止し、ドライバーがアクセルを踏み込むとセルモーターの音が聞こえてきます。

そして、交通量の多い交差点において、信号機が青に変わると、各車から一斉にセルモーターの音が聞こえてきます。

アイドリングストップ車の増加と共に、立体駐車場から街中の交差点、住宅地の交差点まで、とかく各車が「うるさいセルモーター音」を発する時代になったのです。

京都議定書の締約国が192ヵ国にのぼり、世界的なCO2削減のトレンドの中で、アイドリングストップは明らかなCO2削減効果があります。

信号機が多い街中を頻繁に走行する環境下において、アイドリングストップによる若干の燃費向上が実感できるかもしれません。

他方、エンジンを頻繁に停止することで、無視できないデメリットもあります。

アイドリングストップはメリットよりデメリットを感じているドライバーが多いのではないでしょうか?

バッテリーに過酷なアイドリングストップ

メルセデス・ベンツC200-W204純正AGMバッテリー

自動車の電装品の中で、瞬間的に最も大きな電流が流れるパーツはセルモーター。

エンジンスタート時、車種によって違いがあるものの、瞬間的に100A(アンペア)以上の電流がセルモーターに流れます。

消費電力が大きい代表的な電装品はエアコンやリアのウィンドウ・デフォッガー、ヘッドライト。しかし、これらの電装品に流れる電流は最大でも10A台。

セルモーターは短時間だけ機能する電装品ながら、瞬間的に流れる電流はとても大きなパーツ。

アイドリングストップ車はエンジン停止中、メーター照明やオーディオ、カーナビ、エアコン、ウインカー、ブレーキランプ、ECU等を機能させるためバッテリーに負荷がかかります。

そして、エンジン始動時、セルモーターに大きな電流が流れます。

バッテリーの蓄電量と電圧はセンサーによってセンシングされています。一定ラインまでバッテリーが放電すると、自動でエンジンが始動します。

また、アイドリングストップは水温や車速、ブレーキ、アクセル、ステアリング、バッテリー蓄電量、等々、複数のパラメーターから作動するため、必ずしも交差点毎にエンジンが停止するとは限りません。

アイドリングストップ車の一番のいじめられ役とも言えるスターターバッテリーは過酷な環境に置かれています。よって、アイドリングストップ車には、専用の高耐久バッテリーが必要となります。

バッテリー寿命の短命化

アイドリングストップ車はバッテリーの負荷が大きく、使用環境によっては新品から2年以内にバッテリーが寿命を迎えることもあるようです。

アイドリングストップ非搭載車であれば、スターターバッテリーが4~6年間は使えたのです。

メルセデスがアイドリングストップ機能を標準装備するまでは、100Ahクラスの湿式バッテリーを搭載する車種が多々ありました。そのクラスのバッテリーともなると、5年前後はバッテリーが使えたのです。

しかし、アイドリングストップの搭載により、カーバッテリーの寿命は随分、短くなったのです。

アイドリングストップで若干の燃費改善効果があっても、バッテリーの交換サイクルが短くなります。そして、専用の高耐久バッテリーの価格設定は高め。

一部の欧州車や日本のエコカーには12Vバッテリーが2個搭載されています。バッテリー交換の際、オーナーはコストの高さに閉口しているはず。

「日本車のバッテリー交換で、なんで4万も5万円もかかるの?」

「メルセデス・ベンツのメインバッテリーとサブバッテリー交換で、なんで10万円もかかるの?」

このような理由で、燃費改善によって浮いた燃料費がバッテリー交換の費用で全て消えてしまい、トータルとして車のランニングコストが上昇するのです。

概ね、アイドリングストップ搭載車はランニングコストが高くなります。

CO2削減のための技術は、別のどこかで犠牲になるのです。

そこで、犠牲となっているバッテリーを延命させるために、状況によってアイドリングストップをキャンセルしているドライバーが多いと思います。

アイドリングストップOFFのすすめ

アイドリングストップ車にはOffスイッチが装着されています。走行条件によっては、アイドリングストップが快適なドライブを妨げる場合があります。

渋滞時の発進と停止を繰り返すシーンでは、頻繁なセルモーターの回転が煩わしく感じるドライバーが多いのです。

どのようにOffスイッチを使うかはドライバー次第ながら、臨機応変にOffスイッチを使うのは精神衛生上とバッテリー延命のためにもプラス。

・渋滞時

・しばらく車に乗らなかった時

・冬季

・その他、アイストが不快に感じる時

以上のようなシーンでは、状況に応じてアイドリングストップのスイッチをOffにして、CO2削減よりバッテリー充電(走行充電)を優先させた方がいいのです。

コーディングも1つの方法

エンジンスタートの度に、いちいちアイドリングストップのスイッチをOffにするのは面倒であり、忘れてしまうことも多いと思います。

その対策として、メルセデス・ベンツの電装系に強い整備工場は専用テスターでコーディングが可能。

このコーディングにより、エンジンスタート時、アイドリングストップ機能はいつもOff状態。必要な時だけ、アイドリングストップのスイッチを手動でOnにすればいいのです。

ちなみに、管理人のCクラスW204はアイドリングストップ非搭載車。

アイドリングストップという問題のある装備はバッテリーの交換サイクルが短くなり、セルモーターの負荷が増えるのです。

更に、エンジンが停止すると、夏場のエアコン機能が低下し、冬場のヒーターの効きが弱くなり、やたらとエンジンが停止して快適なドライブの邪魔をするのです。

管理人はアイドリングストップ否定派の一人なのです。

P.S.アイドリングストップ・キャンセラーについて

検索すると、「アイドリングストップ・キャンセラー」なるパーツが流通しています。

これにより、エンジンOff後の再スタート時もアイドリングストップ機能がキャンセルされる電子部品。

なお、アイドリングストップのキャンセラーは非純正パーツ。万一のトラブル発生時、自動車メーカーの保証対象外となり、ディーラーを含めて対応してくれない可能性があります。

また、メルセデス・ベンツ用の非純正アイドリングストップ・キャンセラーを電装系に組み込むと、電装系に不具合の発生が報告されています。この非純正パーツの装着は要注意です。

P.S.2 ハイブリッドカーのアイドリングストップ

TOYOTAプリウスに代表されるストロングタイプのハイブリッドカーは構造上、アイドリングストップが完璧。

ハイブリッドカーのアイドリングストップ機能は複数のパラメーターにより制御されています。

メインバッテリーの蓄電量が一定以上で暖機が終了していれば、車が停止する度にエンジンは自動停止します。

なお、冬場はヒーターを使用するため、状況によってはアイドリングストップしない場合もあります。

ハイブリッドカーの駆動用モーターが状況に応じてエンジンをスタートさせるため、セルモーターは搭載されていません。

プリウスをドライブすると、アイドリングストップとエンジン始動時の違和感はまったくありません。こと、アイドリングストップの完成度に関しては、ハイブリッドカーの独壇場です。

P.S.3 トヨタ車の一部でアイドリングストップ機能を廃止

トヨタ自動車の新型ヤリスやハリアーはアイドリングストップ非搭載。

トヨタはアイドリングストップ機能の諸問題に見切りをつけたのか定かではありませんけど、今後のアイドリングストップ技術に一石を投じているようです。

燃費基準値を表すWLTCモードが採用され、アイドリングストップ採用のメリットが薄らいでいるのかもしれません。

各社がトヨタに追従して、アイドリングストップ機能を廃止する方向に進むかもしれません。

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