欧州車の多くに搭載されている直噴エンジンは高圧インジェクターが筒内(シリンダー内)に直接、燃料を噴射する構造。
状況によっては、リーンバーン(希薄燃焼)によって煤(すす)が発生しやすくなります。
長期的には、シリンダー内部で発生するカーボンがエンジンに悪さをする可能性を否定できません。これにより、パワーロスや燃費ダウン、エンジン不調等を招きます。
そこで、管理人はケミカルでメルセデス・ベンツC200(W204)エンジンのカーボン除去対策を定期的に実行中なのだ。
その効果は、いかに?
直噴エンジンのカーボン除去対策
直噴エンジンの場合、インジェクターノズルやポート、バルブ、燃焼室、ピストン頭部にカーボンが堆積しやすくなります。
EGRや吸気、排気バルブのオーバーラップ(排気バルブが閉じる前に吸気バルブが開き始める)が原因で各部の煤(すす)の堆積が懸念されます。
そこでケミカル、燃料添加剤の出番。
和光ケミカルのヒット商品、ワコーズ/WAKO’S®のフューエルワン(F-1)は燃料タンクからフューエルライン、インジェクターやバルブ、エンジン内部の汚れを除去してくれる洗浄剤。
これは、整備工場で普通に使われている有名なケミカル。フューエルワンはカーディーラーやカー用品店でも積極的に販売されています。
車両の点検後、原因がはっきりしないものの、どうもエンジンの調子が良くない場合、ガソリンタンクにフューエルワンを注入すると、エンジンの調子が好転することもあるようです。
WAKO’S®ワコーズ、フューエルワン/F-1
WAKO’S®/ワコーズのフューエルワン(F-1)はガソリン、ディーゼルエンジン用の燃料添加剤。
アルミ製の容器には、このように表示されています。
- デポジットの除去
- 燃焼効率の向上
- 排気ガスのクリーン化
- 燃料系の防錆
フューエルワンの特徴
・燃焼室、吸気バルブ、噴射ノズルなどに堆積したカーボン、ワニス、ガム質を除去し、黒煙、一酸化炭素、炭化水素等の有害排出ガスを低減。
・燃料の酸化劣化や燃料タンクの腐食を抑制。
・燃焼を改善し、オクタン価要求値を下げ、ノッキングを防止。
・噴射ポンプ、噴射ノズルの摩耗を予防。
・特殊気化性防錆剤により、燃料接触部、非接触部の金属表面の発錆を防止。
フューエルワンの使用方法
燃料20~60L(旧フューエルワンは燃料30~60L)に対して、フューエルワン(F-1)1本を燃料タンクに注入します。
YouTuber、OSHO氏のフューエルワン解説動画。(再生時間:6分40秒)
YouTube動画からも、フューエルワンを使用することで直噴ターボエンジンの燃料タンクから燃料ライン、インジェクターノズル、燃焼室、排気バルブ、排気ポートまでの洗浄が期待できます。
メルセデス・ベンツやBMW、アウディ、ポルシェ、VWゴルフやポロ、パサート、ルノーメガーヌ、プジョー、シトロエン、アルファロメオ、ボルボ、ジャガー、レンジローバー、ランドローバー等、欧州車の多くは直噴エンジンを搭載しています。
直噴エンジンのカーボン対策として、フューエルワンの洗浄効果が期待できます。
フューエルワンは直噴ターボエンジンのみならず、従来のポート噴射式エンジン、ディーゼルエンジン、バイクのエンジンまで幅広く使用可能。
あと、ボートやジェットスキー®にも適しています。
ワコーズのフューエルワンは次のようなピストンエンジン搭載車に適しています。
走行頻度が少ない(燃料の劣化予防、トラブル予防)
走行距離が伸びている(ピストン、バルブのカーボン対策)
年間走行距離が多い(ピストン、バルブのカーボン対策)
コントロールユニットやエアマスセンサー、プラグ、ダイレクトイグニッション系に異常が無くても、エンジン不調の場合
バイクの冬眠に
ライダーにとって冬季の11月~3月頃までは、バイクを冬眠させる季節。バイクの長期保管でガソリンが劣化してしまうとトラブルの元。
バイクの冬眠方法として、タンクにフューエルワンを適量入れて、ガソリンを満タンにします。そして、冬眠の前に燃料コックをOFF。キャブ車であればキャブレーター内のガソリンを抜きます。
フューエルワンの使用で、ガソリンの劣化とタンク内のサビ予防対策になるため、バイクの冬眠に役立つアイテムと言えます。ジェットスキーも同様。
[参考]ノッキングレベルの上昇
YouTuberのGT-studio TVさんの動画によりますと、三菱ランサーエボリューションの燃料タンクにフューエルワンを注入後、アクセル全開走行時、ノック率(ノッキングレベル)が急上昇する検証結果が出ています。
他の車両でも、再現性があるデータなのかは定かではないものの、気になる検証結果が出ています。
これがフューエルワンのデメリットと解釈していいのか否かは何とも言えません。
あくまで、このテストは諸条件が変化する一般公道の検証結果。
しかし、1つの大切な参考データとして、気に留めておいた方がいいでしょう。
燃料タンクにフューエルワンを注入したら、アクセル全開走行は控えた方がいいかもしれません。いや、燃料タンクにフューエルワンを注入後、アクセル全開走行は控えるべきでしょう。
フューエルワンを添加後、交通の流れに乗って普通に走行するように心がけたいものです。
ワコーズ、フューエルワンの注入頻度
フューエルワンの使用頻度は特に決まりは無いものの、管理人は走行4,000~5,000kmに1回の使用が理想的と聞いています。
使用例1
年間走行距離が約10,000kmで、エンジンオイルの交換時期が走行5,000km毎の場合。
10,000km × 1/12ヶ月 = 833km/月
この場合、毎月平均の走行距離は833km。各車両の燃費や燃料タンクの容量によっても変わってくるものの、月に1~2回はGSで給油することになります。
⇒ オイル交換の約1ヶ月前に燃料タンクにフューエルワンを注入し、給油ランプが点灯するまで走行する。
↓
そして、約1ヶ月後にオイル交換。
これは年に2回、フューエルワンを注入する方法。
使用例2
ワコーズのオフィシャルサイトによると、走行距離が伸びている車両の場合、2~3回連続してフューエルワンを使用することで効果的な洗浄効果が期待できるようです。
タイミングを見計らってオイル交換すれば、より理想的。
フューエルワンは1本1,000円台という価格的にも手軽な燃料添加剤のため、愛車にマッチする使用方法を探ってみてもいいと思います。
初回-燃料タンクにフューエルワンを注入
フューエルワンはPEA(ポリエーテルアミン)系の燃料添加剤。これは、分解&洗浄性能が高い物質。フューエルワンのデメリットはまず無いと思われます。
そこで、管理人は次のようにフューエルワンを使ってみました。
Step 1
ガソリンスタンドで「給油前」にフューエルワンを1本注入し、燃料を満タンにする。
給油後では、フューエルワンが全量入らないことがあるため要注意。当然です。(^^)
⇒ メルセデス・ベンツCクラス、W204の燃料タンク容量は66Lのため、1本でOK。
Step 2
給油ランプが点灯するまで走行する。あるいは、なるべく燃料タンク内の燃料が少なくなるまで走行する。
(注意点)
もし、燃料タンク内の燃料が半分程度まで減った時点で再給油すると、フューエルワンの濃度が薄くなってしまいます。これでは、フューエルワンの効果が期待できません。
Step 3
ガソリンスタンドで給油。
その月にディーラーで1年点検を実施し、エンジンオイルとオイルフィルターの交換を実施しました。
フューエルワン注入後の変化
今回、予防整備的にフューエルワンを試してみました。フューエルワンを注入後、体感的な変化や効果は感じられませんでした。
今後、定期的にフューエルワンを注入することで、カーボン堆積の除去が期待できるかもしれません。なお、エンジン内部の確認はできないため、管理人はフューエルワンはサプリメント的なものと捉えています。
フューエルワンはエンジンに害は無いため、今後、毎年1回のオイル交換前に注入する予定。
2回目-ワコーズ、フューエルワンを再注入
2017/12/22、年に1回の行事であるワコーズ、フューエルワン/F-1を再注入しました。
ガソリンスタンドで「給油前」にフューエルワンを給油口から注入。
CクラスW204の給油口には、可動式の逆流防止フラップが装着されています。
注意点として、ゆっくり給油口にフューエルワンを注入すること。フューエルワンはやや粘度の高い添加剤のため、急いで注入すると溢れてしまいます。
フューエルワンを全量注入後、ガソリンを給油。
フューエルワン、2回目注入後の効果
エンジンスタート時、インパネのスタートボタンを押すと、セルモーターが何回転かしてエンジンに火が入ります。
今回、フューエルワンを再注入して走行を繰り返すうちに、エンジンスタート時のセルモーターの回転音が以前より短く感じる時があります。
擬音語でこんな感じです。
Before「キュルル…フオーン」
▼
After「キュルッ…フオーン」
もちろん、コールドスタート時と1時間走行後では、エンジンの始動具合が違います。
スターターバッテリーを新品バッテリーに交換すると、当然、エンジンの始動性が良くなります。それと似たような印象を受ける時があります。
「それは、気のせい・・・」
なんて突っ込みがあるかもしれませんけど(笑)、エンジンの始動性がいいと感じる時があります。
フューエルワンによって、徐々にエンジン内部の汚れが除去され、効果が出てきたのかもしれません。
もちろん、新車にフューエルワンを注入しても、効果は感じられないでしょう。ある程度、走行距離が伸びているエンジン車両にフューエルワンを注入することで、エンジン内部の洗浄効果が期待できます。
フューエルワンを連続使用する方が効果が出てくるかもしれません。この添加剤は遅効性のため、2~3回は連続注入してみてもいいでしょう。
最初、管理人は物は試しでC200(W204)にフューエルワンを注入してみたものの、効果があるような気がしてきました。w
3回目-ワコーズ、フューエルワンを再注入
2018/11/08、年に1回の行事であるワコーズ、フューエルワン/F-1を再注入。
2018年、ワコーズのフューエルワンF-1はモデルチェンジされています。主な変更点は3つ。
【1】内容量が300mlから「200ml」へ変更
【2】燃料「20~60L」に対して1本注入(従来品は30~60L)
【3】さらさらの液体から粘性が高い液体へ変更
4回目-ワコーズ、フューエルワンを注入
燃料20~60Lに対してフューエル1を1本注入するように推奨されています。普通車であれば、燃料タンクにフューエルワンを1本を注入します。
5回目、ワコーズ、フューエルワンを注入
2019年8月7日、燃料タンクにワコーズ・フューエルワンを注入。
ガソリンタンクに燃料を入れる前にフューエルワンを1本注入します。
フューエルワンがモデルチェンジされ、液体の粘度が高くてドロッとしています。Newモデルは従来品より内容量を減らした分、効果を高めているのでしょうか?
なお、給油口に可動式の逆流防止フラップが装着されていると、粘性が高いフューエルワンがタンク内に入っていくまで少々時間がかかります。
一気にフューエルワンを注入しようとすると、溢れ出てくる可能性もあります。ゆっくりF-1を注入することをお勧めします。
今後、何か気付きがあれば、コメントしていきます。
ちなみに、Google検索すると、「フューエルワン 壊れる」というネガティブなキーワードがヒットします。天下のワコーズさんがエンジンに悪影響を与えるような製品を販売するわけが無いことを強調しておきます。
6回目、ワコーズ、フューエルワンを注入
2019年12月15日、燃料タンクにワコーズ・フューエルワンを注入。(6回目)
管理人が2017年からフューエルワンを使い始めて2年が経過しました。W204のエンジン始動性は今までと変化はありません。
当然、エンジンのバルブや燃焼室の状態を確認することはできないため、フューエルワンの効果を視覚的に確認することは不可能。
フューエルワンは遅効性ケミカルのため、2年かけてエンジン内部のカーボンがじわじわと除去されていることに期待したいと思います。
燃費
2019年11月、関西方面に用事があり、東名高速道路、伊勢湾岸自動車道、新名神高速道路、名神高速道路を往復で約600km走行しました。
その日は土曜日だったこともあり、新名神高速道路と名神高速道路を走行する大型トラックが少なく、乗用車も少なかったため、スムースで快適な高速移動ができました。
大型トラックにはスピードリミッターが装着されているため、高速道路の追い越し車線がトラックで塞がれていることが多々あります。
そのようなシーンでは、前方のトラックとの車間距離を確保しながら90km/hほどまで減速し、大型トラックが走行車線に戻ったら100km/hまで加速を繰り返すことになります。
90km/hと100km/hを行ったり来たりの走行では、旧タイプのクルーズコントロールは使いにくく、燃費も伸びません。
今回、高速道路上に大型トラックが少なかったため、クルーズコントロールを活用することで好燃費を記録しました。約600km走行し、W204のメーターパネルが表示する燃費は17.1km/l。
もちろん燃費計は若干の誤差があるものの、1,800ccの直噴ターボエンジンを搭載するW204としては、優れた燃費と言えます。ちなみに、管理人のW204の装着タイヤはミシュラン・プライマシー3。
ここで誤解が無いように付け加えておきますと、フューエルワンの効果で好燃費を記録したとは思っていません。あくまで高速道路の流れが良かったため、結果的に好燃費を記録できたと思います。
7回目-ワコーズ、フューエルワンを注入
2020年8月30日、年に1回のワコーズ・フューエルワンを注入。
毎年、恒例のワコーズ・フューエルワンを燃料タンクに注入。
2020年6月28日、毎日新聞がすっぱ抜いたハイオクガソリン問題。つまるところ、各社のハイオクの品質はほぼ同じという事実が明るみに出たのです。
愛車にハイオクを入れているカーオーナーはガソリンの洗浄成分に多かれ少なかれ期待していたものの、それがガラガラと音を立てて崩れてしまったのです。
なんともハイオクユーザーは騙されてきた感が強く、目でガソリンを見ることはほとんど無く、目で見てもガソリンの品質の良し悪しを判断することすらできないユーザーは不信感が高まるのみ。
ちなみに、ワコーズ・フューエルワンの情報はネットやYouTubeを検索すると大量にヒットし、様々な意見が飛び交っています。結論からすると、ワコーズ・フューエルワンは間違いの無い製品。
特に、直噴エンジンとフューエルワンは相性がいいため、今までの管理人の考えは間違っていなかったようです。
8回目、ワコーズ、フューエルワンを注入
2021年7月12日、年に1回のワコーズ・フューエルワンを注入。
毎年、恒例のワコーズ・フューエルワンを燃料タンクに注入。
F1を注入後、ガソリン給油。
9回目、ワコーズ、フューエルワンを注入
2022年4月3日、年に1回のワコーズ・フューエルワンを注入。
毎年、恒例のワコーズ・フューエルワンを燃料タンクに注入。
管理人がガソリンタンクにフューエルワンを注入中、何故かガソリンスタンドの店員がずっと作業を眺めていました。
フューエルワン注入によるエンジンオイルへの影響
フューエルワンは洗浄力や浸透能力が高いものの、エンジンオイルの劣化等が個人的な懸念点でした。
検索すると、
「燃料タンクにフューエルワンを入れると、エンジンオイルが汚れる?」
「エンジンオイルが汚れるので、フューエルワンを入れたらオイル交換した方がいい?」
などの情報が散見されます。
Life Garage YouTuberさんのYouTube動画内容によりますと、Lifeさんがワコーズへ電話確認されたそうです。こちら。(再生時間:4分09秒)
フューエルワンの使用によるエンジンオイルへの影響は無いようです・・・。
しかし・・・
フューエルワンが燃料ライン、シリンダーの燃焼室、ピストン、バルブを徐々に洗浄していく以上、理屈としてはカーボンなどの汚れがエンジンオイルに混入していきます。
とすると、やはり管理人は以下のステップがより適切ではと考えます。
(Step 1)エンジンオイルを交換する前にガソリンタンクにフューエルワンを注入。
↓
(Step 2)インパネの燃料残量警告灯が点灯するまで走行。(なるべく燃料タンク内のフューエルワンを使い切る。)
↓
(Step 3)燃料給油
↓
(Step 4)エンジンオイル交換
直噴エンジンのカーボン除去対策(その2)
ある程度、直噴エンジンを回す
多くの直噴エンジンはインテーク側の吸気ポートに燃料噴射ノズルがありません。よって、フューエルワンを注入しても、インテークバルブの洗浄効果はありません・・・
例外として、TOYOTA 8AR-FTSエンジンは状況に応じて直噴と吸気ポート噴射を切り替える方式を採用しています。
「じゃ、どうする?」となります。
直噴ターボエンジンのカーボン堆積の問題は、早めのエンジンオイル交換やフューエルワンで対策していくしかないでしょう。
欧州車は速度無制限のアウトバーンを高速巡航する前提で設計されています。そのような環境下において、エンジン内部はカーボンの影響を受けにくくなります。
他方、
日本の道路交通網は車両の発進と停止の繰り返しが多く、概ね、平均速度が低いのです。そこで、直噴エンジン搭載車の場合、時としてエンジンを回した方がいいと思います。
もちろん、エンジンを高回転まで回すと燃料の空燃比が濃い目になる傾向があるため、これもカーボン生成の原因になります。
状況に応じてエンジンを中回転で回し、高速道路に入る加速車線では、エンジンのレッドゾーン手前まで回して本来の調子をキープしたいもの。
いつもエンジンの回転を抑えてエコ運転を繰り返していると、回りにくく眠いエンジンとなりますし。
AZ FCR-062に変更
2023年10月、管理人は同じPEA成分が配合されているAZ/エーゼットFCR062を購入しました。詳細は以下のページをご参照ください。
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