平成の時代に販売された自動車が大きく進化&変化した点はこれだ!

ドアミラー

2019年5月1日、平成から新元号へ変更されました。

天皇陛下が退位されて5月1日、皇太子さまが新しい天皇として即位されます。2019年、日本は大きな区切りを迎えます。

そこで、1989年1月8日から始まった平成の時代、日本車と欧州車がどのように変化してきたのでしょうか。随分と長い年月ということもあり、管理人の記憶を手繰り寄せながら振り返ってみたいと思います。

エレクトロニクス化が加速

電子基板

1990年代までは、まだ車にアナログ的な要素が残されていました。当時、ABSやエアバッグは一部の車種の装備。当時の車は電装品がシンプルなこともあり、後付けで好みのカーオーディオを取り付けるくらいでした。

その後、車のエレクトロニクス化が加速し、車は頭脳に相当するECUとCAN-BUS通信によって統合制御する時代を迎えました。

車の電装品が増えるとワイヤーハーネスの本数と重量が増えてしまうため、CAN-BUSの採用により低コストで軽量化でき、耐ノイズ性が高まるメリットがあります。今や、車のワイヤーハーネスは人間の神経細胞のように車体の隅々まで張り巡らされています。

メーターパネルの液晶化

メルセデス・ベンツ液晶メーター

スピードメーターは従来のアナログ針式とデジタル式に加え、メーターパネル内に液晶パネルが組み込まれた車種が増えてきました。そして、一部の車種では全面、液晶メーターの採用が始まっています。

液晶メーターの採用により、ドライバーの好みでメーターデザインを変更でき、プログラム次第でいかようにでもデザインできるメリットがあります。

既にVWゴルフがフル液晶メーターを採用し、今後、高級車から大衆車にも液晶メーターの採用が増えていくと予想されています。

カーナビの普及

メルセデス・ベンツCクラスC200-W205モニター

今や当たり前の装備のカーナビ。かつて20~30万円のカーナビを装着するオーナーがいたものの、今となってはカーナビの選択肢は広がりを見せています。

通販で3~4万円ほどで販売されている中華ナビからPND、パイオニアの高級機サイバーナビまでお好み次第。

スマホナビがそこそこ使えることもあり、ナビの利用頻度によってはスマホで十分と考えるドライバーも多いのではないでしょうか。

電子制御スロットル

吊り下げ式アクセルペダル

かつてアクセルペダルにスロットルワイヤーが繋がっていました。アクセルペダルを踏み込むとエンジンルームのスロットルバルブが開く仕組み。

その後、電子制御スロットル採用車がほとんどとなり、今やアクセルペダルはスイッチとして機能します。

キーレスキー、そしてスマートキーの普及

メルセデス・ベンツのリモコンキー

キーレスキーはリモコンキーとも言われ、キーに付いているボタン操作によって車から離れた場所からドアの開錠と施錠ができます。

そして、スマートキーはポケットに入れておくだけで、ドアノブを触るだけで開錠、施錠ができる仕組み。スマートキーの普及により、車内にキーを差し込んだままドアロックしてしまうインロックが減ったのではないでしょうか。

エンジンスタートがプッシュボタン式へ

スマートキーを採用する車種が増えたこともあり、エンジン始動時はインパネのプッシュボタンを押すだけでエンジンがスタートします。

ETCの普及

ETC看板

ETCの普及により、料金所の支払いがスムースになりました。

オーディオシステムがCDからデジタルメディアへ

オーディオのメディアがカセットテープ → CD → 一時期、MD → デジタルオーディオプレーヤーやUSBへと変わってきたため、かさばるメディアを持ち運ぶ必要が無くなりました。

省燃費化

ガソリンスタンド

京都議定書以降、先進国では温室効果ガスの排出量を削減すべく、車の省燃費化が進みました。

ハイブリッドカーの増加

トヨタを筆頭とする日本のお家芸でもあるハイブリッドカーが日本でシェアを広げてきました。

トヨタのラインアップはコンパクトカーからミニバン、センチュリーまでハイブリッドシステムを搭載し、一大ハイブリッドカーメーカーとして牙城を築いてきました。

欧州でダウンサイジング直噴ターボエンジンの増加

欧州の道路事情は日本とは異なることもあり、排気量と気筒数を落としてエンジンを直噴化し、ターボで過給するダウンサイジング直噴ターボエンジンが普及しました。

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クリーンディーゼルエンジンの誕生

クリーンディーゼルエンジンは厳しい排気ガス規制をクリアして誕生し、ディーゼルエンジンの歴史に旋風を巻き起こしました。

欧州の自動車メーカーが続々とクリーンディーゼルエンジンを発表し、日本のマツダもラインアップにクリーンディーゼルエンジンを加えました。

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BlueTECブルーテックエンジンを搭載するメルセデス・ベンツが随分増えました。エンジンの音と振動が低減され、低速トルクが太くドライブしやすいのが特徴。低燃費なクリーンディーゼルエンジンの燃料費は計算上、プリウスとあまり変わらない結果が!

空気抵抗を低減したボディ

高速域でボディの空気抵抗は燃費に大きな影響を与えます。日本車と欧州車は共に、空気抵抗を低減したボディが設計され、ボディのデザインが大きく進化しました。

アイドリングストップ搭載車の増加

CO2削減を目的とするアイドリングストップ搭載車が増加し、欧州車を含めた多くの車の標準装備となりました。

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メルセデス・ベンツを含む多くの車に搭載のアイドリングストップはCO2削減と燃費向上の技術。アイドリングストップは時として不要と感じる時もあります。オフorキャンセルスイッチを上手に活用し、快適なドライブとバッテリーの延命対策に繋がります。

ATの多段化

1990年代までは4速ATが標準でした。その後、省燃費化と高速域でのエンジン回転数を抑える目的からトランスミッションが多段化し、5速AT、7速AT、9速ATへと変遷を辿ってきました。

油圧パワーステアリングから電動パワーステアリングへ

今では死語の重ステ車に油圧式のパワーステアリングが搭載され、今や軽自動車から高級車まで電動パワーステアリングの搭載がデフォルトになりました。

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プライバシーガラス採用車の増加

プライバシーガラスを標準装備する車が増加し、日本車の多くはプライバシーガラスがデフォルト化しています。

太陽光を吸収するプライバシーガラスの採用により、エアコン効率のアップと省燃費化が期待できる装備。

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ボディのサイズアップ

衝突安全基準が厳しくなり、日本車と欧州車のボディサイズが拡大されてきました。また、グローバルカーが増加した背景もあり、全幅が1,800mm前後の車種が増加しました。

軽、コンパクトカー、ミニバンの増加

売れ筋の車種にトレンドがあるものの、大きな流れとしてセダンの販売が減少し、背が高い軽自動車とコンパクトカー、ミニバンを選ぶオーナーが増加しました。

パワートレインの増加

1990年代までは、乗用車のエンジンはNAガソリンエンジンとターボエンジン、一部にディーゼルエンジンの選択が可能でした。

その後、SKYACTIV-G(高圧縮ガソリンエンジン)、クリーンディーゼルエンジン、HV(ハイブリッド・ビークル)、PHV(プラグイン・ハイブリッド・ビークル)、PHEV(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)が登場しパワートレインの選択肢が増加しました。

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EVの登場

2009年、三菱自動車からi-MiEVが販売開始となり、翌2010年、日産自動車からリーフが販売されました。

安全装備の標準化

エアバッグ

ABS(アンチロックブレーキシステム)が義務化され、SRSエアバックの採用車が増加しました。車種によっては、サイドエアバッグも標準装備。

更に、トラクションコントロールの搭載と横滑り防止装置の義務化により車の安全性能は明らかに向上してきました。

FR車の減少

1990年代まではFRを採用する日本車が多かったものの、一部の高級車を除いてFR車は減少してFF車が増加していきました。

スポーツカーの減少

1990年代まではFR、FFを問わず、国産スポーツカー、スペシャリティーカーが花盛りであった時代。若者でもなんとか手が届く軽量でコンパクトなスポーツカー、スペシャリティーカーが各メーカーから販売され、熱い注目を集めていました。

その後、排気ガス規制や市場ニーズの変化により、スポーティーなキャラクターを持つ車種は自動車メーカーのラインアップから徐々に消えていきました。

CVT車の増加、MT車の減少

CVTは大雑把にスクーターが採用しているトランスミッションに似ています。

今やマツダを除く多くの日本の自動車メーカーはCVTを採用しています。かねてよりCVTのドライブフィールには好みが分かれるものの、CVTは日本独自のドメスティックなトランスミッションという立ち位置のようです。

ヘッドライトがガラス製からポリカーボネイト製へ

VWポロ-ハロゲンヘッドライト

かつて自動車のヘッドライトは全てガラス製でした。2000年前後からポリカーボネート製のヘッドライトの採用車が登場し、その後、急速に車のヘッドライトはポリカ製に切り替わりました。

これは、自動車の歴史上、大きな変化です。

ポリカーボネートは非常に透明度が高くて衝撃に強く、ヘッドライトのデザイン自由度が高まります。このような理由から、凝ったデザインのヘッドライトが増加し、車のフロントマスクが大きく変化しました。

タイヤの低偏平化

タイヤとホイールのインチアップ

1990年代までは、一部のスポーツカーや高級車を除き、ハイトが高く厚いタイヤを履く車が一般的でした。

その後、低偏平タイヤのトレンドが押し寄せて、軽自動車から高級車までタイヤが低偏平化しホイールが大径化しました。

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灯火類のLED化

プリウスPHV-LEDヘッドライト

車の灯火類の中で、ハロゲン球を使用するヘッドライトの採用が長く続いてきました。その後、HIDが登場し、今日ではLEDヘッドライト採用車が増えつつあります。

ブレーキランプやウインカーにLEDを採用する車が増加し、車の消費電力の低減化に一役買っています。

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ウインカー埋込式ドアミラーの増加

メルセデス・ベンツC200-W204-ドアミラー

ドアミラーにウインカーを埋め込むタイプが増加し、サイドマーカーと呼ばれるフロントフェンダーにウインカーランプを組み込んだ車種は大幅に減少しました。

エンジンオイルの低粘度化

かつて自動車用エンジンオイルの粘度は「10W-30」あたりが一般的でした。

その後、「5W-30」、そして、ハイブリッドカーやエコカーの増加に伴い、オイル粘度は「0W-20」や「0W-16」という低粘度エンジンオイルが純正指定されています。

大都市圏の車離れ

若者の車離れと言われて久しいものの、この表現は必ずしも適切ではないような気もします。

地方圏で生活する場合、毎日の足となる車に対する需要が多く、若者が車から離れているとは思えません。

車離れは特に大都市圏で進んでいる現象。例えば、東京都内に在住で駅まで徒歩での移動が可能であれば、日常生活で車の必要性が低くなるのは当然です。

カーシェアリングの会員数が右肩上がりで増加している背景として、大都市圏で使用頻度が少ない車の所有からシェアを選ぶ方が明らかに合理的だと考えるドライバーが増えているのが理由でしょう。

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カーシェアリングの車両台数は9年で約48倍。会員数は335倍に急拡大!大人気のカーシェアリングの詳細はページ下段の関連記事にて。そして日本の大都市圏では今後も車離れが進むでしょう。車との付き合い方が大きく変わりつつある日本の車事情とは?
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思いつくだけでも、これだけの変化があります。約30年続いた平成の時代、改めて車は大きく変化してきたことに気付かされます。

他にも平成の時代に車が大きく変化した点が多々あると思います。お気付きの点がありましたら下段のコメント欄からご送信ください。

最後に

1989年12月29日(平成元年)、日経平均株価は38,957円の最高値を付け、翌年に入り日経平均の暴落が始まりバブル経済が崩壊しました。日経平均の暴落は不動産価格にも及び、日本経済に大きな爪痕を残しました。

日本の主要産業である自動車産業は平成の時代にグローバル化が加速し、海外モデルへと軸足を移していきました。それと同時に国内専用モデルが減少していきました。

振り返ってみますと、平成の時代に販売された車の特徴を3点挙げるならば「高度なエレクトロニクス化」「省燃費化」「安全性の向上」だと思います。

Windows95(1995年発売)の登場以降、ビジネスシーンやプライベートでも急速にPCが普及し通信回線の整備によりインターネットが急速に浸透していきました。そして、2008年、iPhone3Gが国内で発売開始となり、スマホ時代の幕開けの年でもありました。

デジタル化が進んできた平成の時代、各自動車メーカーは自動運転車の開発を進めています。平成から次の元号へ向けて、自動運転は注目の技術。

自動運転の定義

自動運転の定義

■レベル0

ドライバーが全ての操作を行う。

■レベル1(運転支援)

加速、操舵、制動のどれかを自動運転システムが支援する。

■レベル2(部分自動運転)

加速、操舵、制動のうち、自動運転システムが複数の操作を支援する。

■レベル3(条件付自動運転)

限定的な環境でのみ、自動運転システムが加速、操舵、制動を行う。

■レベル4(高度自動運転)

特定の状況下でのみ、自動運転システムが加速、操舵、制動を行う。

■レベル5(完全自動運転)

無人運転

(出典)Wikipedia自動運転車

これら自動運転の定義の中で「レベル5」は素人が考えても非常にハードルが高い技術だと思われます。テスラの電気自動車が死亡事故を起こしていることからも、まだ無人運転までの確立までにはかなりの年数を要することでしょう。

また、法整備にもまだまだ時間がかかります。

管理人の個人的な考えとして、完全な無人運転は無理が多い挑戦のように思います。車は人命を乗せて高速移動を繰り返す乗り物である以上、無人運転で死亡事故はあってはならないのが前提条件です。

それ以前に副操縦士的な安全技術の進歩には多くを期待できるのではと思います。

まだ自動運転については五里霧中の要素が多いものの、平成から次の元号にかけて注目を集めていく技術であるのは間違いありません。

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