車のバッテリー上がりの原因と対処方法/対策用12Vバッテリー充電器

12Vカーバッテリー

走行頻度が少ない自動車は特に冬季、カーバッテリーの電圧低下やバッテリー上がりの問題が浮上します。

週に1回程度の短距離走行の場合、明らかにカーバッテリーが弱くなりやすくなります。

カーバッテリーの充電不足やサルフェーション現象、物理的な劣化、冬季の外気温低下等、複数の条件が重なると、最悪、バッテリーが上がってしまいます。

では、バッテリー上がりの原因と防止対策、バッテリーが上がったしまった時のエンジンスタート方法について情報をまとめてみます。

自動車のバッテリー上がりの原因

自動車のカーバッテリーが弱くなったり、バッテリーが上がる原因は大きく3つ考えられます。

原因1-走行頻度が少ない

自動車は停車中、暗電流(あんでんりゅう)が流れています。この暗電流は待機電流とも呼ばれます。

ドアをロック後、カーバッテリーから数十mA~60mAほどの暗電流が流れています。これは、ECUやセキュリティシステム、時計、ラジオ等の電装品のメモリー用のバックアップ電流です。

更に、カーバッテリーはわずかに自己放電していきます。自己放電とは、バッテリーを放置すると徐々に放電していくこと。

自動車に乗る頻度が少ないと、バッテリーの充電不足により、徐々にカーバッテリーは放電していきます。

【症状】

エンジンのスタートボタンを押して、セルモーターが重々しく回転するようであれば、バッテリーが弱くなっています。バッテリーが充電不足の可能性があります。

原因2-バッテリーの劣化

カーバッテリーはスターターバッテリーとも呼ばれ、12Vの鉛バッテリーが使用されています。鉛バッテリーの劣化原因として、サルフェーション現象(※)が知られています。

カーバッテリーは年数の経過と共にサルフェーション現象の影響を受けていきます。このサルフェーションは白い電気を通さない物質。

この現象により、補充電しても蓄電量が低下していき、バッテリーの放電性能も低下します。

この劣化現象により、いくつかの条件が重なってしまうと、バッテリーが上がりやすくなります。カーバッテリーの定期的な交換が必要なのは、これが理由です。

(※) サルフェーション現象:鉛バッテリーが持つ、特有の劣化現象。

【症状】

エンジンのスタートボタンを押して、セルモーターが重々しく回転するようであれば、バッテリーが弱くなっています。バッテリーの充電不足、あるいは年数経過により、バッテリー内部の劣化が原因の場合もあります。

原因3-オルタネーターの故障

そもそも、自動車のオルタネーター(発電機)は簡単に故障するようなパーツではありません。

しかし、新車登録から年数が経過している旧車や走行距離が多い自動車はオルタネーターの発電不良が発生することがあります。

・走行しても、バッテリーが上がりやすい

このようなトラブルが発生する場合、オルタネーターの不具合も考えられます。この場合、ディーラーや整備工場で点検が必要です。

バッテリー上がりの防止対策

12Vカーバッテリー

自動車の使用環境は様々。

毎日、通勤や仕事で愛車のステアリングを握るオーナーもいれば、休日だけ愛車に乗るオーナーもいます。複数台を所有しているオーナーならば、ある車に乗るのは月に1~2回程度の場合もあるでしょう。

走行頻度が少ない自動車のバッテリーは、どうしても上がりやすくなります。そこで、バッテリー上がりの対策として、次の方法があります。

[1]早めのバッテリー交換

近年、メルセデス・ベンツの純正バッテリーの多くはAGMタイプ

このAGMバッテリーは文句無しの高性能鉛バッテリー。しかし、問題は価格。Cクラス用のAGMバッテリーは¥35,000-以上の価格。(工賃別)

アイドリングストップ搭載車であれば、サブバッテリーを含めて2~3年程度で要バッテリー交換となります。

メインバッテリーとサブバッテリーを同時交換となると、バカにできない金額。

中には「そんなもん?」と、つぶやくオーナーがいるかもしれませんが・・・

[2]バッテリーの補充電

鉛タイプのカーバッテリーの特性として、こまめに補充電することで良好なコンディションを確保しやすくなります。走行頻度が少ない自動車の場合、時々、バッテリーを補充電したいもの。

「じゃ、倉庫でホコリを被っているバッテリー充電器でカーバッテリーを補充電しようか?」

となるかもしれません。

一般的な自動車用バッテリー充電器は充電が完了すると自動停止します。すると、その後、バッテリーは再び放電していきます。

面倒でも、こまめにバッテリーの補充電を繰り返せばいいのです。しかし、実際は手間がかかって面倒なため、なかなか難しいのです。

[3]アイドリングストップをOFFに

アイドリングストップ機能搭載車の暖機が終了し、バッテリーの充電量が適切であれば、停止する度にエンジンが停止します。そして、再始動を繰り返すため、バッテリーの負荷が大きく、徐々にバッテリーの劣化が進みます。

エンジンスタート時、アイドリングストップ機能はデフォルトでONになっています。アイドリングストップ機能を嫌うオーナーは、エンジンを始動する度にアイストスイッチをOFFにしているかもしれません。

しかし、この操作は面倒なもので、スイッチOFFを忘れてしまうこともあります。対策として、コーディングで問題を解決できます。

メルセデスの整備を得意としている町の整備工場であれば、コーディング作業でアイドリングストップ機能をデフォルトでOFFに書き換えることが可能。

これにより、エンジン始動後、アイドリングストップはOFF状態。アイドリングストップが必要な時だけ、スイッチをONにすればいいのです。

バッテリーが上がった時の対処方法

カーバッテリー上がりの救援、対策

ブースターケーブルの救援問題1

バッテリーが上がってしまった場合、かつて?はブースターケーブルの出番でした。

しかし、自分がブースターケーブルを持っていても、周囲に救援車両がいないと宝の持ち腐れなのです。当然です。

海辺や山奥の人気がない場所や時間帯によっては、カーバッテリーが上がってしまったら、ブースターケーブルを持っていても、お手上げなのです。

ブースターケーブルの救援問題2

時代と共に、トヨタのTHSに代表されるハイブリッドカーが増加傾向にあります。しかし、ハイブリッドカーはブースターケーブルでバッテリーが上がった非ハイブリッドカーを救援できない問題があります。

救援不可

ハイブリッドカー

【×】ブースターケーブルで救援不可

12Vカーバッテリーが上がった非ハイブリッドカー

救援可

非ハイブリッドカー

【○】ブースターケーブルで救援可

12V補機バッテリーが上がったハイブリッドカー

そこで近年、ジャンプスターターが人気を集めています。

バッテリー上がりの救世主、ジャンプスターター

近年、ブースターケーブルより「ジャンプスターター」がレスキューグッズの主役になりつつあるようです。

ジャンプスターターとは、大容量のモバイルバッテリー。

ジャンプスターターを12Vカーバッテリーに接続するだけで、エンジン始動OK。

車内にジャンプスターターを忍ばせておけば、スマホやタブレット、デジタル機器の充電から自動車のエンジン始動までOK。

バッテリー上がりでJAFにレスキューを依頼すると、会員は無料(バッテリー代金は実費)。非会員は1~2万円の費用が発生します。(高速料金は別途)

しかも、JAFのロードサービス隊員は暇ではありません。場所と時間によっては、すぐに駆けつけてくれるとは限りません。

その点、ベストセラーの「Arteckジャンプスターター12V用」ジャンプスターターは「4,000円台」から販売されているため、便利なお手軽グッズ。

大容量タイプ(18,000mAh)でも1万円未満。ジャンプスターターの中にはLEDが内蔵されている物もあり、何かと便利。

雪国のドライバーやスキーヤー、スノーボーダーにとって、ジャンプスターターはMustアイテムとなりつつあるかもしれません。重くて嵩張るブースターケーブルを購入する代わりに、ジャンプスターターを購入しておけば安心です。

なお、ジャンプスターターも中身はバッテリーのため、徐々に放電していきます。定期的な補充電が必要です。

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ジャンプスターター

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ジャンプスターター

ちなみに、カーバッテリーを上げてしまうと、充電してもバッテリーの容量(蓄電量)が減ることがあります。

次は、バッテリーを上げないための防止対策。

常時、カーバッテリーをフル充電状態にする方法

ブースターケーブル

バッテリー充電とメンテナンス機能が内蔵されている「12Vバッテリー充電器」が流通しています。

これは、12Vカーバッテリーに充電器を常時接続できるタイプ。これでカーバッテリーは、いつもフル充電というワケです。

これらの中で、サルフェーション対策を謳った充電器や高電圧を与える充電器もあります。何を選んだらいいのか迷ってしまうものの、管理人はこれらのタイプを使ったことがありませんし、今後、購入しようとも思いません。

大人の事情もあり、詳細なコメントは差し控えますが、車両側の電装系とバッテリーの事情を考えますと、小さな充電電流で補充電し、サルフェーション云々の機能が無い充電・管理器が無難かと思います。

バッテリー管理器ならバッテリーは365日、フル充電

管理人は小さな充電電流(3A:アンペア)で補充電するタイプの「バッテリー管理器」を長年、愛用しています。

今まで、メルセデスの電装系への影響は一切ありませんし、バッテリーはフル充電を維持できます。

もちろん、バッテリー過充電の心配は一切ありません。このタイプ。

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バッテリー管理器SA-12PX

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[メリット1]バッテリーは、いつも満充電

もちろん、バッテリー管理器には家庭用100V電源が必要。これさえ確保できれば、カーバッテリー(12V)は1年365日、満充電というワケです。

カーバッテリーが劣化していなければ、いつもエンジンは一発始動。心強い味方です。

[メリット2]バッテリーが長持ち

我が家にCクラス W204がやってきてから、5年後の2016年2月4日、ヤナセでバッテリー交換を実施しました。上手にバッテリー管理器を使うことでAGMバッテリーが5年間使えました。

メルセデス・ベンツC200-W204純正AGMバッテリー

2016年に交換したメルセデス純正AGMバッテリー

[メリット3]省燃費化

これは、あくまで理論上の話のため、話半分で読んでいただいて結構です。

エンジン始動後、まずはバッテリー充電がスタートします。なぜなら、エンジン停止後、バッテリーは暗電流等によってじわじわと放電しているからです。オルタネーターが発電し、自動的にバッテリーを充電します。

バッテリーが放電気味の場合、余分な燃料をシリンダーに噴射してオルタネーターを回して、バッテリーを充電しています。これは、燃費悪化の原因。

もし、バッテリーがフル充電の状態であれば、エンジン始動後、オルタネーターの負荷が下がり、理論上は燃費が良くなります。

オプションケーブルの活用

メルセデス・ベンツC200-CGI-W204/エンジンルーム

W204のスターターバッテリーは空調用ボックスの下に設置されています。

この場合、バッテリーの(+)、()ターミナルに専用のオプションケーブルを取り付けて、コネクターで充電器を接続するようにすると便利です。

もちろん、充電器の(赤色)プラスケーブルのワニ口クリップをジャンプ用プラス端子(上の写真の赤色部品をスライドさせるとプラス端子があります。)に接続し、(黒色)マイナスケーブルのワニ口クリップをエンジンルームの金属部分(一例:サスペンションのアッパーマウント部のナット)に接続しても、バッテリーを充電管理できます。

管理人が愛用のバッテリー充電・管理器。

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メルセデス・ベンツの純正カーオーディオのオーディオソースはiPhoneやiPod classic等のDAPとCD。手軽に高音質を楽しめるのがデジタル音源の特徴。純正の本来の音を引き出すために、手軽でリスクが無い高音質チューニングはこれ!
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コメント

  1. ナカヤス より:

    「管理人が愛用のバッテリー充電・管理器。」のリンクを開きましたが、どの機種かわかりません。当方2012年7月登録のW204のバッテリーが1週間に2回上がったのですが、そろそろ車自体交換を考えており、何とかだましだまし乗れないかと考えているところだったので、おすすめのものを購入してはどうかと考えたところです。いくらくらいするものですか?